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次世代リーダーズキャンプ

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2017.08.10 UP

【講師】蒲 俊郎氏からのメッセージ

私が、今回、「次世代リーダーズキャンプ2017」での講師をお引き受けした動機は、
日頃懇意にさせて頂いている、新先生、竹岡実行委員長からお誘いを受け、
その趣旨についての説明をお聞きして、この催しが、現在、私が力を注いでいる
「新時代に対応できる法曹の養成」という目的と共通する理念を感じ取ったからに他なりません。

私は、現在、IT・インターネット、企業法務などを専門とする弁護士として、
また、上場企業3社を含む多くの企業の社外監査役として、企業コンプライアンスの最前線で活動する傍ら、
法科大学院・大学院長として、法曹の養成にも積極的に携わっています。

社会が複雑化・多様化する中、「従来型の法曹では紛争に対応しきれない」
「複雑化・高度化する法的紛争に対処できる専門性を持った法曹が欲しい」といった切実な声が、
ビジネスの世界にあふれているにもかかわらず、法曹界は、従来、その要請に応え切れていませんでした。

法科大学院制度とはそういった社会の要請に応えて生まれたものであり、
その新たな制度のもとで、ビジネスを理解し、特定分野に精通した次世代の法曹が、近時、活躍し始めています。

私の教え子の中には、日本初となる国立大学付属病院の院内弁護士に就任した女性医師や、
大手監査法人でコンプライアンス部門を統括する公認会計士資格を持った弁護士など、
旧来の制度では生まれることが難しかった人材が各所で活躍しています。

新先生のメッセージにもあるように、世界が急激にグローバルし多様化が進んでいる中、
企業ばかりでなく、法曹も大きく変わらなければ変化の波について行くことは出来ない訳であり、
多様化に伴う変化にどう応じていくか、それはビジネスだけではなく、法曹の世界にも共通の問題だということです。

私は、「次世代リーダーズキャンプ2017」に参加される新先生と、その立場は異なるものの、
ある意味、同じ視点で同じ危機感を共有していると考えています。

今回、私は、皆様の前でお話しをさせて頂く機会を与えられましたが、
言うまでもなく、私はビジネスに直接携わっている訳ではありません。

あくまで、多くの経営者の皆様から、ビジネスの法的側面についてご相談を受け、
それに対応し、また、企業の取締役会において、コンプライアンスの観点から、
場合によっては経営者の方々に耳の痛い意見を述べ、必要に応じて経営責任を追及する存在です。

そういう意味では、次世代リーダーを志すビジネスパーソンの皆様に対し、
新先生のように「リーダー創りの原理原則」などをお教えすることは出来ません。

ただ、それをコンプライアンスと呼ぶかどうかは別として、
企業が永続的に発展していくために必要な、法的観点から見た、
「原理原則」はやはり存在していると考えています。

それは、多くの企業が、コンプライアンス違反との汚名をきせられ、
またその代表者が経営者失格との烙印を押されて退場していった歴史が物語っています。

私としては、私が経験から感じ取った、その原理原則を皆様に少しでもお伝えできれば望外の喜びと思っております。

また、私も、自分自身を、新先生に「大変」させて頂くことを期待している参加者の一人として、
今回の催しに大変期待していることを最後に付言させて頂きたいと考えております。

 

蒲 俊郎
(次世代リーダーズキャンプ 講師)